
冷蔵庫を開けたら、飲み物や食品がぬるくなっている。
でも、冷凍庫の中はいつもどおりしっかり凍っている。
「冷蔵庫だけ壊れたの?」「冷凍庫が冷えているなら、まだ使える?」と、不安になりますよね。
冷凍庫は冷えるのに冷蔵庫が冷えない場合、
冷気の通り道やファンなどに問題が起きている可能性があります。
ただし、この症状だけで故障箇所を特定することはできません。
まずは食品の配置や設定温度、ドアの閉まり方など、自分で確認できることから調べてみましょう。
確認しても改善しない場合は、修理を依頼するのか、買い替えるのか、それとも今の冷蔵庫を手放すのかを考える必要があります。
この記事では、冷凍庫は冷えるのに冷蔵庫が冷えない原因と確認方法、修理と買い替えの判断材料、手放す場合の買取・処分方法まで解説します。
【先にお読みください】食品の安全確保が最優先です
冷蔵室が冷えていない間は、食品が傷みやすい状態です。
原因を調べる前に、次の対応をしてください。
- 肉・魚・乳製品・卵・惣菜・作り置きなど、傷みやすい食品は、クーラーボックスに保冷剤や氷と一緒に移すか、冷えている冷凍室、または別の冷蔵庫へ移す
- 長時間ぬるくなっていた食品は、見た目やにおいに変化がなくても、食中毒のリスクがあります。食べるかどうか迷う場合は、無理に食べず、処分を検討する
- 特に、乳幼児、高齢の方、妊娠中の方、持病のある方が食べる食品は慎重に判断する
食品の状態を安全に判断できる基準は、この記事では示せません。
不安な場合は食べないという選択も含めて検討してください。
冷凍庫は冷えているのに冷蔵庫が冷えないとき、まず確認すること
最初に、機器を分解したり操作したりせずにできる確認から始めます。
ここで原因が見つかれば、修理や買い替えをせずに済む場合もあります。
冷蔵室の温度と、冷えなくなったタイミングを確認する
まず、今の冷蔵室がどのくらい冷えていないのかを把握します。
- 庫内に温度計があれば、実際の温度を測る(機種によっては庫内温度の表示があります)
- 冷蔵室全体が冷えないのか、一部の段だけぬるいのかを確認する
- いつから冷えなくなったかを思い出す(大量の買い物のあと、長時間のドア開放のあと、停電や引っ越しのあと、など)
- 異音やにおい、庫内の水滴や氷の付着がないかを見る
後で修理を相談するときにも、この情報は役立ちます。
メモしておくと説明しやすくなります。
食品の詰め込みすぎや冷気の吹き出し口を確認する
冷蔵庫の中は、冷気が循環することで冷やされています。
多くの機種では、庫内の奥や側面に冷気の吹き出し口があり、
食品が口を塞いだり、庫内にぎっしり詰め込まれたりすると、冷気が行き渡りにくくなります。
- 吹き出し口の前に食品や容器が置かれていないか
- 庫内が食品でぎっしり埋まっていないか
- 大きな容器やラップをかけた皿が、冷気の流れを遮っていないか
吹き出し口の位置や数は機種によって違います。
取扱説明書で確認してください。
ドアが閉まっているか、パッキンに隙間がないか確認する
ドアがわずかに開いていると、庫内に暖かい空気が入り続け、冷蔵室が冷えにくくなります。
- 食品や容器がはみ出して、ドアがきちんと閉まっていないことはないか
- ドアのゴムパッキンが切れたり、めくれたり、汚れで密着しにくくなっていないか
- ドアを閉めたとき、きちんと「閉まった」感触があるか
- 冷蔵庫が傾いていて、ドアが自然に開いてしまわないか
パッキンの汚れは、取扱説明書の方法に従って拭き取れる場合があります。
破れや変形が見られる場合は、メーカーや修理窓口に相談してください。
冷凍庫は冷えるのに冷蔵庫だけが冷えない原因
冷蔵室だけが冷えない原因はひとつではありません。
冷却方式や内部構造は機種によって異なるため、
「この症状ならここが壊れている」と断定することはできません。
ここでは、考えられる原因の例を紹介します。
冷気の通り道が霜や氷で塞がっている
多くの冷蔵庫では、冷やした空気を冷凍室から冷蔵室へ送る仕組みになっています。
この通り道に霜や氷が付着して塞がると、冷蔵室へ届く冷気が減る可能性があります。
霜が増える背景には、ドアの開け閉めの多さや、パッキンの隙間から入る湿った空気などがあります。
ただし、霜が原因かどうかは、庫内を見ただけでは判断できないこともあります。
冷気を送るファンや制御部品に不具合がある
冷気を循環させるファンや、冷気の量を調整する部品、温度を感知するセンサー、制御基板などに不具合があると、冷蔵室へ冷気が届かなくなる可能性があります。
これらは内部の部品であり、利用者が目視や簡単な操作で状態を確認することはできません。
「ブーン」という運転音が聞こえるかどうかだけでは、正常かどうかを判断できない点にも注意してください。
ドアの閉まりが悪く、庫内に暖かい空気が入っている
先ほどの確認項目と重なりますが、ドアの閉まりが悪い状態が続くと、庫内の温度が上がりやすくなります。
パッキンの劣化や変形、設置状態、ドアの蝶番まわりの不具合が関係することもあります。
食品の配置や設定温度などが影響している
次のような使い方の要因で、冷蔵室が冷えにくくなることもあります。
- 食品の入れすぎで冷気が循環しない
- 温かいままの料理を入れた
- 設定温度が「弱」や高めになっている
- 節電モードなどの機能で、冷え方が変わっている
- 設置場所の周囲に十分な放熱スペースがない、または室温が高い
使い方に原因があれば、見直すことで改善する場合があります。
冷蔵庫が冷えないときに自分でできる対処法
対処をする前に、取扱説明書の記載を必ず優先してください。
機種によって、操作の可否や手順が異なります。
食品を整理し、冷気の吹き出し口を塞がないようにする
- 傷みやすい食品を先に保冷先へ移す(記事冒頭の注意を参照)
- 庫内の食品を整理し、吹き出し口の前を空ける
- 食品同士の間に少し隙間をつくり、冷気が通るようにする
- 温かい料理は粗熱を取ってから入れる
設定温度や節電モードを確認する
- 冷蔵室の温度設定が、普段と変わっていないか
- 子どもやご家族が、誤って設定を変えていないか
- 節電・省エネ関連の機能が有効になっていないか
設定を変えたあとは、すぐに効果が出るとは限りません。
温度が安定するまでには時間がかかるため、取扱説明書に記載された目安を確認し、庫内温度の変化を見守ってください。
取扱説明書に従って霜取りを検討する
霜や氷が付いている場合、取扱説明書に霜取りの手順が載っている機種もあります。
ただし、機種によっては利用者が霜取りをする想定になっていないものもあります。
必ず取扱説明書で、霜取りが可能か、可能な場合の手順を確認してください。
電源を切って庫内を自然に解凍する方法が案内されている場合でも、次の点に注意してください。
- 電源を切る前に、冷凍室を含む全ての食品の保冷先を確保する。
冷凍食品も溶けると傷みやすくなります - 庫内に水があふれることがあるため、床にタオルなどを敷く
- 解凍にかかる時間は状況によって異なる。取扱説明書の案内に従う
やってはいけないこと
- 包丁やナイフ、アイスピックなどの刃物で氷や霜を削る。
内部の配管や部品を傷つけ、故障や冷媒漏れ、けがにつながるおそれがあります - ドライヤーや熱風で氷を溶かす。
樹脂部品の変形や、感電・発火の危険があります - 取扱説明書にない方法で、内部の部品や板を取り外す
改善しない場合は、修理相談が必要か判断する
ここまでの確認と対処を行っても冷蔵室が冷えない場合は、次のような状況であれば、メーカーや修理窓口に相談することを検討してください。
- 食品の配置、設定、ドアの状態を見直しても、冷蔵室の温度が改善しない
- 取扱説明書に従って対処したが、変化がない
- 異音、焦げたようなにおい、本体の異常な発熱などがある
- 庫内や床に水漏れが続いている
相談する際は、機種名と型番(本体の側面や内部のラベルに記載されています)、症状、冷えなくなった時期、試した対処をまとめて伝えると、話がスムーズです。
電源プラグやコンセントまわりに焦げやにおい、異常な熱を感じた場合は、使用を中止し、メーカーや販売店に連絡してください。
冷蔵庫が冷えないままなら、修理と買い替えのどちらがいい?
「何年使っているから買い替え」「何円以上かかるなら買い替え」といった、一律の基準はありません。
ここでは、判断材料になる考え方を整理します。
修理費用は故障箇所によって変わる
修理費用は、故障した部品や作業内容、出張費、診断料などによって変わります。
原因が特定されないと、費用の見通しは立ちません。
まず見積もりを取り、内訳(部品代、技術料、出張費)を確認すると、判断しやすくなります。
見積もりを取る際は、次の点も確認しておくと安心です。
- 見積もりや診断自体に費用がかかるか
- 修理を断った場合の費用
- 修理にかかる期間(その間の食品の保管をどうするか)
- 修理後の保証の有無
使用年数と修理費用を合わせて考える
使用年数だけでは判断できません。
使用年数に加えて、次のような点を合わせて考えると、ご自身の状況に合った判断ができます。
- 今の冷蔵庫に、ほかの不具合や気になる点はないか
- 今回の修理費用と、新しい冷蔵庫の購入費用との差
- 今の冷蔵庫の容量や使い勝手に不満はないか
- 買い替える場合、新しい冷蔵庫が届くまでの期間をどう過ごすか
- メーカーの保証や、購入店の延長保証が使えないか
保証期間内であれば、修理費用がかからない場合もあります。
保証書や購入時の記録も確認してみてください。
修理部品の保有期間も判断材料になる
メーカーは、製品の製造を終了したあとも、修理に必要な補修用性能部品を一定期間保有しています。
冷蔵庫の場合、この期間は製造打ち切り後およそ9年とされています。
この9年の起点は、購入日ではなく製造終了時です。
そのため、購入から9年以上たっていても、その型番の製造終了が最近であれば、部品が残っている可能性があります。
- 製造終了からの年数は、メーカーの窓口に型番を伝えて確認できる
- 保有期間内であっても、部品の在庫状況によっては修理できない場合がある
- 保有期間が過ぎていても、部品が残っていて修理できることもある
修理せず手放すなら、買取・処分・買い替えをどう選ぶ?
修理をせず、今の冷蔵庫を手放す場合の選択肢を整理します。
故障した冷蔵庫でも買取対象になるか確認する
故障した冷蔵庫の買取は、業者によって対応が異なります。
「動作しない場合は対象外」としている業者もあれば、状態や年式によって個別に査定する業者もあります。
- 買取を依頼する前に、動作状況(冷蔵室が冷えない、など)を正直に伝える
- 査定の条件、出張費や手数料、キャンセル料の有無を確認する
- 買取不可になった場合の対応(引き取り料金がかかるか)を事前に聞いておく
症状を隠して査定を受けると、後でトラブルになる可能性があります。
状態は正確に伝えてください。
買取が難しい場合はリサイクル料金と収集運搬料金を確認する
冷蔵庫は、家電リサイクル法の対象品目です。
そのため、一般のごみとして出すことはできません。
処分する場合は、次の2つの費用がかかるのが一般的です。
- リサイクル料金:メーカーや大きさによって異なります
- 収集運搬料金:回収を依頼する販売店や自治体、事業者によって異なります
具体的な金額は、メーカーの公式情報や、依頼先の販売店・自治体の案内で確認してください。
手続きの流れ(郵便局でリサイクル券を購入する方法など)も、依頼先によって異なります。
買い替えるなら、古い冷蔵庫の引き取りと搬出を確認する
新しい冷蔵庫を購入する場合、販売店が古い冷蔵庫を引き取ってくれることが一般的です。
購入前に、次の点を確認しておくと安心です。
- 古い冷蔵庫の引き取りに、リサイクル料金と収集運搬料金がかかるか
- 配送と同時に、引き取りをしてもらえるか
- 搬入・搬出の経路(玄関、廊下、階段、エレベーターの幅)は問題ないか
- 設置後、冷蔵庫を安定させてから電源を入れる必要があるか(取扱説明書や販売店の案内を確認)
- 配送日までの間、食品をどう保管するか
冷蔵庫が冷えず、冷凍庫は冷えるときのよくある疑問
冷蔵庫の電気はつくのに冷えないのはなぜ?
庫内の照明がつく、運転音がする、といったことは、冷却機能が正常に働いていることの証明にはなりません。
照明は、冷却とは別の回路で動いているためです。
冷えない原因は、ここまで紹介したように、冷気の通り道の詰まり、ファンや制御部品の不具合、ドアの閉まりの問題、使い方による影響など、さまざまです。
電源が入っているかどうかだけで、冷却が正常かどうかは判断できません。
冷蔵庫を開け閉めしなければ自然に直る?
ドアを開け閉めしないことで、庫内に入る暖かい空気は減ります。
ただし、開け閉めをしなければ自然に直るとは限りません。
霜の詰まりや部品の不具合が原因なら、そのままでは改善しないことがあります。
一方で、停電のあとや、食品を大量に入れた直後などは、庫内の温度が安定するまで時間がかかるだけの場合もあります。
取扱説明書に記載された目安の時間を確認し、それでも改善しない場合は、メーカーや修理窓口への相談を検討してください。
冷えないまま様子を見る間も、傷みやすい食品は別の保冷先に移しておくことをおすすめします。
冷凍庫が冷えていれば、冷蔵庫は故障していない?
冷凍庫が冷えていても、冷蔵庫が故障していないとは言えません。
冷蔵室だけが冷えない状態は、冷蔵室へ冷気を送る部分に問題が起きている可能性を示すものの、原因の特定にはなりません。
冷凍室が冷えているからといって、冷蔵室の食品が安全とも言えません。
冷蔵室の温度が上がっていた場合は、食品の状態に注意してください。
まとめ|確認しても冷えないなら、修理か手放すかを検討する
冷蔵庫が冷えないのに冷凍庫は冷える場合、冷気の通り道やファンなどに問題が起きている可能性があります。
ただし、この症状だけで故障箇所を特定することはできません。
この記事のポイントを整理します。
- まず、傷みやすい食品の保冷先を確保する。食品の安全が最優先
- 食品の配置、設定温度、ドアの閉まりなど、自分で確認できることを調べる
- 霜取りなどの対処は、取扱説明書の指示を優先する。刃物や熱風は使わない
- 改善しない場合は、メーカーや修理窓口に相談し、見積もりを取る
- 修理か買い替えかは、使用年数だけでなく、費用、保証、部品の保有状況、ご自身の使い方を合わせて判断する
- 補修用部品の保有期間(約9年)は、購入からではなく製造終了からの年数
- 手放す場合は、買取の可否、リサイクル料金と収集運搬料金、引き取りの手配を確認する
冷蔵庫の不調は、毎日の生活に直結する悩みです。
焦らず、まずは食品の安全を確保したうえで、ご自身の状況に合った選択肢を検討してください。

