夏の暑さ、いよいよ本番!「大暑」を知ろう!
「大暑(たいしょ)」という言葉、聞いたことがありますか?
カレンダーで見かけたり、天気予報で耳にしたりするかもしれませんが、
具体的にどんな時期を指すのでしょうか。
日本には、季節の細やかな移り変わりを示す「二十四節気(にじゅうしせっき)」という暦があります。
「大暑」は、その中でも夏のクライマックスとも言える時期を示す、大切な節気の一つです。
その名の通り、一年で最も暑さが厳しくなるとされる「大暑」。
この記事では、そんな大暑の意味や正確な時期、この厳しい暑さを乗り切るための伝統的な食べ物や、
快適に過ごすためのヒントを分かりやすくご紹介します。
読み終わる頃には、大暑について詳しくなり、夏の暑さ対策にもきっと役立つはずですよ。
大暑とは? – 一年で最も暑さが厳しい頃
大暑は、二十四節気の中で12番目、夏を6つに分けた節気の中では最後にあたる節気です。
「小暑(しょうしょ)」の次に来ます。読み方は「たいしょ」。
毎年日付は少し変動しますが、だいたい7月23日頃にあたります。
天文学的な計算に基づき、2025年の大暑は7月23日(水)です。
「大暑」という名前は、「大きな暑さ」を意味し、文字通り「一年で最も暑さが厳しくなる頃」を示しています。
小暑(7月7日頃)から徐々に強まってきた暑さがピークに達する時期です。
強い日差しが照りつけ、気温がぐんぐん上昇し、「猛暑日(最高気温35∘C以上)」となる日も多くなります。
小暑が「暑さの始まり」を告げるのに対し、大暑はまさに「暑さの頂点」。
この大暑から次の「立秋(りっしゅう)」(8月7日頃)までの期間が、一年で最も暑い時期とされています。
大暑の頃の季節感 – ギラギラ太陽と夏のイベント
大暑の頃は、梅雨もすっかり明け、本格的な夏の高気圧に覆われることが多くなります。
空にはモクモクとした入道雲(積乱雲)が湧き上がり、強い日差しが地面を照りつけます。
午後に突然ザッと降る夕立も、この時期ならではの風物詩ですね。
気温・湿度ともに高く、熱中症への警戒が最も必要な時期です。
一方で、この時期は夏祭りや花火大会、盆踊りなど、日本ならではの夏のイベントが各地で盛んに開催されるシーズンでもあります。
子どもたちは夏休みに入り、海水浴やキャンプなど、夏のレジャーを楽しむ光景も多く見られます。
また、大暑の期間中には、夏バテ防止にうなぎを食べる習慣でお馴染みの「土用の丑の日」が巡ってくるのも特徴です。
(※「土用」とは立秋前の約18日間の事で、大暑の全期間と小暑の後半一部分の期間を指します。)
大暑に食べると良いとされるもの – 厳しい暑さを乗り切る栄養補給
一年で最も暑さが厳しく、体力を消耗しやすい大暑の頃。
食欲も落ちがちですが、夏バテを防ぎ、元気に過ごすためには、
栄養価の高いものや、体にこもった熱を冷ましてくれる食べ物を意識して摂ることが大切です。
うなぎ

「土用の丑の日」の定番といえば、やはり「うなぎ」です。
夏バテに効くと言われるようになった由来には、江戸時代の蘭学者・平賀源内が、
夏場に売上が落ちたうなぎ屋のために「本日土用丑の日」という看板を考案した、という有名な説があります。
しかし、それ以前から、うなぎが滋養強壮に良いことは知られており、
『万葉集』にも夏痩せ対策にうなぎを勧める歌が詠まれています。
うなぎにはビタミンA、B群、D、Eやミネラルが豊富に含まれており、まさに夏バテ防止にぴったりの食材です。
冷たい麺類(そうめん、冷やし中華など)

小暑に引き続き、そうめんや冷麦、冷やし中華といった冷たい麺類も人気です。
喉越しが良く、食欲がない時でも比較的食べやすいのが利点。
ただし、栄養が偏らないよう、野菜や錦糸卵、鶏肉などをトッピングして、タンパク質やビタミンを補う工夫をしましょう。
旬の夏野菜・果物

トマト、きゅうり、ナス、ピーマン、ゴーヤ、とうもろこし、枝豆などの夏野菜は、
水分やカリウム、ビタミンが豊富で、体の熱を冷ます効果が期待できます。
宮崎県の「冷や汁」や沖縄の「ゴーヤチャンプルー」など、夏野菜をたっぷり使った郷土料理も参考になりますね。
また、スイカやメロン、桃などの果物も、水分と栄養補給に最適です。
かき氷・冷菓

暑い日に食べたくなるかき氷やアイスクリームなどの冷菓は、手軽に体を冷やしてくれます。
ただし、冷たいものの摂りすぎは胃腸に負担をかけ、かえって夏バテの原因になることも。
適量を心がけましょう。
その他(梅干し、甘酒など)
汗で失われる塩分やミネラルを補給し、クエン酸で疲労回復を助ける「梅干し」や、
ビタミンB群やアミノ酸が豊富で「飲む点滴」とも呼ばれる「甘酒」(特に冷やして飲むのがおすすめ)
なども、夏バテ対策に役立つ伝統的な食品です。
大暑の頃の過ごし方 – 徹底した暑さ対策と夏の楽しみ
一年で最も暑い大暑の頃は、何よりも熱中症対策を最優先に考えましょう。
- 暑さ対策の徹底: こまめな水分補給はもちろん、汗で失われる塩分・ミネラルの補給も忘れずに。 エアコンや扇風機を適切に使い、無理のない室温を保ちましょう。日中の気温が高い時間帯の外出はなるべく避け、外出する際は帽子や日傘、サングラス、風通しの良い服装などで暑さから体を守る工夫が必要です。
- 夏休みとレジャー: 学校が夏休みに入り、旅行や帰省、アウトドアレジャーなどを楽しむ機会が増える時期です。楽しい時間を過ごすためにも、屋外での活動は特に熱中症対策を万全に行いましょう。休憩や水分補給を十分に取り、体調に異変を感じたらすぐに涼しい場所へ移動することが大切です。
- 涼を得る工夫: 昔ながらの涼み方も取り入れてみましょう。朝夕の打ち水は気化熱で周囲の温度を下げてくれますし、窓辺でチリンと鳴る風鈴の音は耳から涼を感じさせてくれます。怪談話でひんやりする、というのも日本の夏の過ごし方の一つですね。
- 夏のイベント: 体調管理に気を配りながら、地域のお祭りや花火大会に参加するのも、この時期ならではの楽しみです。
- 残暑見舞いの準備: 大暑が終わると暦の上では秋(立秋)ですが、実際にはまだ厳しい暑さが続きます。立秋を過ぎてから出す季節の挨拶状は「残暑見舞い」となります。お世話になっている方へ送る準備を始めるのも良いでしょう。
まとめ – 大暑を知り、元気に酷暑を乗り切ろう!
今回は、二十四節気の一つ「大暑」についてご紹介しました。
大暑は、その名の通り、一年で最も暑さが厳しくなる時期であり、私たちの体にとっても過酷な季節です。だからこそ、体調管理には最大限の注意が必要となります。
うなぎや夏野菜、冷たい麺類など、旬の食べ物や昔ながらの食の知恵を上手に取り入れて、夏バテを予防しましょう。
そして、エアコンや暑さ対策グッズを活用しつつ、打ち水や風鈴など、五感で涼を感じる工夫も楽しんでみてはいかがでしょうか。
無理は禁物ですが、暑さ対策をしっかりと行い、この時期ならではの夏のイベントなども楽しみながら、一年で最もパワフルな季節を元気に乗り切りましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。