
「『小満(しょうまん)』って、どういう意味?少し満足するってこと?」
「立夏を過ぎて、なんだか体がだるいな…」
「梅雨入り前のこの時期、何を食べたら元気に過ごせるんだろう?」
日差しが力強くなり、あらゆる緑が生命力いっぱいに輝く季節。
暦の上で見かける「小満」という言葉に、そんな疑問を抱いたことはありませんか?。
その少し控えめな名前に反して、実は一年で最もエネルギーに満ちた季節の始まりだなんて、知らないと損ですよね。
この記事を読めば、小満が「万物が満ち始める」ダイナミックな季節である本当の意味から、この時期に旬を迎える最高の食べ物、そして梅雨を元気に乗り切るための食の知恵まで、すべてが明らかになります。
この記事を読み終えたあなたは、小満という季節が大好きになり、旬の恵みを体に取り入れることで、心も体も満たされる、そんな豊かな毎日を送れるようになっているはずです。
小満とは?万物が満ち始める季節の意味と過ごし方
「小満」―この言葉から、あなたは何をイメージしますか?
「少しだけ満たされる」という、どこか遠慮がちな印象を持つかもしれません。
しかし、それは大きな誤解です。
小満は、あらゆる生命が太陽の光を浴びて、ぐんぐんと成長し、そのエネルギーが満ちていく、非常にパワフルな季節なのです。
まずは、そんな小満の本当の意味と、この時期を心地よく過ごすためのヒントからご紹介します。
「万物盈満すれば草木枝葉繁る」- 小満の本当の意味

小満とは、「陽気が良くなり、万物が次第に満ちていく」という意味を持つ、二十四節気の8番目の節気です。
ここでの「満」とは、草木が茂り、動物たちが命を育み、畑の麦が穂を実らせるなど、あらゆる生命力が一つのピークに向かって満ちていく様子を表しています。
江戸時代の暦の解説書『暦便覧』には、「万物盈満(えいまん)すれば、草木枝葉繁る」と記されています。
盈満とは「満ち足りる」こと。つまり、「天地に陽気が満ちて、草木の葉が茂る頃」という意味です。
決して「少しだけ満足」という消極的な意味ではなく、これから訪れる実りの秋に向けて、生命が満ち溢れていく始まりの季節。それが小満なのです。
2026年の小満はいつ?梅雨入り前の大切な時期
小満は、夏の始まりである立夏から数えて15日目頃、毎年5月21日頃から、次の節気である「芒種(ぼうしゅ)」の前日までの約15日間を指します。
ちなみに、2026年の小満は5月21日です。
この時期は、走り梅雨と呼ばれるぐずついた天気が多くなり、梅雨の気配が色濃くなってきます。また、気温や湿度が上がることで体調を崩しやすい時期でもあります。
旬の食べ物で体に溜まりがちな余分な湿気を排出し、来るべき梅雨本番に備えることが、この時期を健やかに過ごすための大切なポイントになります。
次の節気「芒種(ぼうしゅ)」に関しては、こちらの記事にまとめています。
麦秋至る?七十二候に見る小満の風景
二十四節気をさらに細かく分けた「七十二候」を見ると、小満の季節がより生き生きと見えてきます。
- 初候:蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) 蚕が桑の葉を盛んに食べ始める頃。昔の日本の養蚕業にとって、非常に大切な時期でした。
- 次候:紅花栄(べにばなさかう) 染料となる紅花が一面に咲き誇る頃。鮮やかな紅色は、初夏の訪れを告げるかのようです。
- 末候:麦秋至(むぎのときいたる) 秋にまいた麦が実り、収穫期を迎える頃。「麦秋(ばくしゅう)」とも呼ばれ、麦畑が金色に輝く美しい季節です。
このように、昔の人の暮らしと季節が密接に結びついていたことがよく分かりますね。
特に「麦秋」は、小満の時期の食べ物を考える上で重要なキーワードになります。
小満の時期に食べたい!初夏の恵みたっぷりの食べ物【野菜編】

小満の時期、野菜売り場は一気に活気づきます。
立夏から出回り始めた夏野菜はますます味を濃くし、この時期に旬のピークを迎える野菜もたくさんあります。
太陽の光をたっぷり浴びて育った旬の野菜は、私たちの体にエネルギーを与え、梅雨前の不調を吹き飛ばす手助けをしてくれます。
ここでは、小満の時期にぜひ食卓に並べたい、生命力あふれる旬の野菜たちをご紹介します。
旬の走りから盛りへ!「きゅうり」「なす」「ピーマン」
立夏の頃に「走り」だったきゅうり、なす、ピーマンといった夏野菜が、この時期になると本格的な「旬」を迎えます。
みずみずしいきゅうりやなすは、体にこもりがちな熱を冷まし、水分を補給してくれます。
また、ピーマンに含まれるビタミン類は、紫外線への抵抗力を高めるのに役立ちます。
炒め物や和え物、サラダなど、様々な料理で初夏の味を楽しみましょう。
甘みと香りが最高潮!「そら豆」と「アスパラガス」
さやが天に向かって伸びることからその名がついた「そら豆」。
この小満の時期に、甘みと香りが最高潮に達します。
さやから出したての豆を塩ゆでするだけで、他にはない濃厚な味わいが楽しめます。
また、アスパラガスも旬の盛り。疲労回復効果のあるアスパラギン酸が豊富で、この時期のだるさを解消するのにぴったりです。
グリルやバター炒めなどで、その力強い風味を味わい尽くしましょう。
爽やかな香りの「新生姜」と「らっきょう」
この時期にしか出回らない、特別な旬の味覚が新生姜とらっきょうです。
繊維が柔らかく、爽やかな辛みが特徴の新生姜は、炊き込みご飯や甘酢漬けにすると絶品。
体を温め、食欲を増進させてくれます。
また、シャキシャキとした食感が人気のらっきょうも、漬け込みのシーズン。
らっきょうには、血液をサラサラにする効果があると言われ、夏バテ予防にも繋がります。
小満の時期に味わうべき旬の食べ物【果物・海の幸編】
小満の季節の恵みは、畑だけでなく、果樹園や海の中にも広がっています。
梅雨入り前の貴重な晴れ間に味わう甘い果実は格別ですし、海の幸もまた旨みを増してきます。
そして、この季節を語る上で欠かせないのが、私たちの食生活の基本となる、あの作物です。
ここでは、小満の時期の食卓をさらに豊かにする、旬の果物や海の幸をご紹介します。
梅雨入り前の甘いご褒美「梅」と「びわ」

この時期になると、店頭に青梅が並び始め、「梅仕事」の季節が到来します。
梅干しや梅酒、梅シロップなど、手作りの保存食は一年を通して楽しめます。
梅に含まれるクエン酸は、疲労回復に効果抜群です。
また、びわも旬のピークを迎えます。
上品な甘さと香りは、初夏の訪れを感じさせてくれる特別な果物。
咳を鎮める効果があるとも言われ、乾燥や気温差で喉の調子が悪い時にもおすすめです。
旨みがピークを迎える「アジ」と「キス」
初夏に旬を迎える魚の代表格がアジとキスです。
アジは脂が乗って旨みが強く、たたきやなめろう、塩焼き、フライなど、どんな調理法でも美味しくいただけます。
一方、キスは透き通るような白身が美しい魚。淡白で上品な味わいは、天ぷらにすると絶品です。
ふわふわの食感と、口の中に広がる優しい甘さをぜひ味わってみてください。
日本の食卓に欠かせない「麦」の収穫期
七十二候の「麦秋至」でも触れたように、小満は麦の収穫期、「麦秋(ばくしゅう)」の季節です。
秋にまかれた大麦や小麦が黄金色の穂をつけ、一斉に刈り取られます。
パンや麺類、ビールや麦茶はもちろん、醤油の香り付けや、一部の味噌(麦味噌)の原料としても、麦は日本の食卓に深く関わっています
「万物が満ちる」小満の季節の象徴とも言える麦の収穫に思いを馳せながら、日々の食事をいただくと、また違った味わいを感じられるかもしれません。
旬の恵みを食卓へ!小満の時期にぴったりの簡単レシピ
生命力あふれる小満の食材は、そのものの味を活かすシンプルな調理法でいただくのが一番。
梅雨前の少し気だるい時期でも、手軽に作れて元気が出る、そんなレシピで初夏の食卓を彩りましょう。
ここでは、旬の恵みをたっぷり味わえる、とっておきの簡単レシピを3つご紹介します。
旬の味をシンプルに!そら豆のチーズ焼き
そら豆の甘みとチーズの塩気が相性抜群。おつまみにも、お弁当のおかずにもぴったりです。
- 材料: そら豆、ピザ用チーズ、オリーブオイル、黒胡椒
- 作り方: 塩ゆでしたそら豆の薄皮をむき、耐熱皿に並べます。オリーブオイルを回しかけ、チーズを乗せてオーブントースターで焼き色がつくまで焼くだけ。仕上げに黒胡椒を振って召し上がれ。
ご飯が進む!アジの梅しそフライ

旬のアジと、この時期ならではの梅を組み合わせた、爽やかな香りのフライです。
食欲がない時でもさっぱりといただけます。
- 材料: アジ(三枚おろし)、梅干し、大葉、塩コショウ、小麦粉、卵、パン粉
- 作り方: アジの身に軽く塩コショウを振り、たたいた梅肉を塗って大葉を乗せます。もう半身で挟み、衣をつけて油でカラリと揚げれば完成です。
初夏の爽やかさ!新生姜の炊き込みご飯
新生姜の爽やかな香りが口いっぱいに広がる、季節感あふれる炊き込みご飯です。
- 材料: お米、新生姜、油揚げ、[A]だし汁、[A]醤油、[A]みりん、[A]酒
- 作り方: 新生姜は千切りに、油揚げは細切りにします。研いだお米と[A]の調味料を炊飯器に入れ、新生姜と油揚げを乗せて炊くだけ。お好みで三つ葉などを散らしても美味しいです。
まとめ
今回は、万物が満ち始めるエネルギッシュな季節、「小満」について、その意味や旬の食べ物を詳しくご紹介しました。
- 小満とは: 二十四節気の一つで「万物の生命力が満ち始める」季節。毎年5月21日頃から始まり、麦の収穫期「麦秋」を迎えます。
- 旬の野菜: 「きゅうり」「なす」などの夏野菜に加え、「そら豆」「アスパラガス」が旬のピークに。梅雨に備える「新生姜」「らっきょう」もおすすめです。
- 旬の果物・海の幸: 「梅仕事」の季節が始まり、「びわ」も旬。「アジ」や「キス」といった魚も美味しくなります。
- 過ごし方のヒント: 旬の食べ物で体にこもりがちな湿気を払い、エネルギーを補給して、梅雨を元気に乗り切りましょう。
「少し満足」どころか、生命のエネルギーが最高潮に向かって満ちていく、とてもダイナミックな季節、小満。
その意味を知ると、日々の景色も、食卓に並ぶ食べ物も、より一層輝いて見えてきませんか?
さあ、今度の週末は、旬のそら豆や新生姜を食卓に並べてみませんか?
きっと、体の内側から初夏のエネルギーで満たされるのを感じるはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。